―チョコレート一粒―
それ、ひとつ貰っても?
[毛布一枚抱いて、夜を彷徨った末に。
一人で星空を見上げるジャニスの姿(>>2:372)を見かけて、なんとはなしに近付いて。右斜め後ろの角度から、彼の手元にあるチョコレートの箱を見下ろしながら声を落とす。ジャニスが何かを配り歩いている様子は、暗がりの中で見た気がするし。
ジェームスの首筋に触れた手で毛布を握り、感触が逃げないようにと指先に意識のおおよそを注いでいるくせに、頭を冷やさなければと思っていたこともあって。
他の誰かの――
できれば耳に心地良い静かな声が、聞きたかった。]
……これだけ星が降る夜です。
迂闊に、嘘はつけませんね。
[うっかり吐いた嘘を願い事だと勘違いして、流れ星が叶えてしまったら大変だ。屈み、チョコレートの箱から、ごくごく普通のプラリーヌを選び取りながら、夜空を一瞥。]
(10) 2015/11/16(Mon) 08時半頃