― 七日間の間 ―
[諸般の検査や尋問を終え、監視付きで隔離を解かれるまでには丸々三日を要した。
それでも三日で済んだのは、キルロイのように目に見える紋もなく、尋問にも協力的であったこと、理性が欠けた様子もなく、何より非戦闘員である故に己の状態は然程重要視されなかったのが要因だ。
それに加えて、キルロイに刻まれた紋の解析の為に使える人員は多い方が良いという組織の意図もあっただろう。
監視者として割り当てられた者は、早々に己の傀儡にした。
それ以外は組織の指示する通り、キルロイの紋の解析に協力をした。
日に日に強くなる薬の成分の調整も己が受け持った。
研究者の中でも特に長く、キルロイに接している人間であったからだ。
彼の食の嗜好も、生活習慣も、己が最も良く知っているし、それに見合った適切な処置が可能だから。
薬の効果は組織の望む通りのもの。余計な混ぜ物もしていない。
――――独断は、七日間の間に、一度だけ。]
(10) 2016/06/07(Tue) 08時半頃