―回想:窓辺→舞踏会会場・中央―
[最初の言葉>>123は、流すようにしておく。
どこまで、卑屈なのだろうか。その邪魔そうにも見える髪からは表情はうかがえないから、読み取ることはできるわけもなく。
しかし、王子の話題を出せば、こちらへと視線を向けられた。
どこまでも黒い闇。吸い込まれそうであった。
ふたりで、あるいは周りの女性達も惚けたように王子を見ていれば、遅れてやってきたか他の貴族にでも挨拶していたのだろうか、母と姉がこちらへとやってきた。瞬間、予期せぬ母の言葉>>101。]
お、お母様…。
あの…本日は、ご招待いただきありがとうございます。
私、スーザン・ドリゼラ=グレリオンと申します。
王子様にお会いできて、光栄です。
[うろたえて、助けを求めたいが、目の前にしてしまっては、挨拶をしないわけにもいかない。
姉は、母に似てしたたかだ。ちゃっかりと自分を売り込んでいる。
それに比べて、私はちゃんと喋れているかもわからない。
だから、母の次の言葉>>126には、曖昧にしか返事できなかった。
そのとき、横にいたはずのエルゴットはどうしていただろうか。]
(10) 2016/01/12(Tue) 01時頃