……何か、対策教えてもらえないかな。
[診療所に行けば、寒空の下で十分な防寒具が無い状況下でも生き抜く方法を教えてはもらえないだろうか。
医療行為では無いから、無論無料で。そんな厚かましいことを言えるなら、きっと今困窮してはいない。
思い返せば、診療所を一番最初に訪れたのは、高熱に魘された小さな女の子を抱えた時のこと。
その時のことをミナカタが覚えているかは知らない。自身の不調は我慢できる。小さな女の子が苦しむ姿は見たくない。
財布の中のなけなしの有り金を全て費やしても構わないと思うくらいには切羽詰っていた。
有り金をはたいてもたいした金額ではない。だけど、有り金で済む程度には、思いのほか安く済んだ。
そして、それが医者の仕事であったとしても、小さな女の子を助けてくれたことに個人的に恩義を感じていた。]
(10) 2013/12/06(Fri) 00時半頃