[しかし。どうやら、今の相手は紳士然と振舞ってくれているようで、確かに"危険を報せる"為にも使えるだろうとコクリと頷くに留めた。
差し出された食べ物も、一瞬ためらった後──何せ娘には見た事のないものであったし、舌先が無いから上手く食べれもしない──頭を軽く下げて受け取っておく。
"暴食"との交渉に使えるかもしれない。彼の罪や、今の状態は知らないが。
そして、興味を示された資料は勿論そのまま差し出して、食べ物は一度懐へ。
刃毀れしたナイフも、できれば返して貰い再び布に包んでしまった。
男のいるうちに、安全装置を外したり、付けたりを繰り返してみる。
2度、3度と繰り返せば安全装置をしっかりかけて、納得して銃を両手で握りしげしげと観察した。
真上から見つめたり、ひっくり返したり。
ちゃきり、と安全装置がかかったままだが両手を伸ばして照準を合わせる真似ごとも。然し、重い。銃口がプルプル震えて、これでは距離が開けば相手に当てることは出来ないだろう]
(10) 2016/03/02(Wed) 11時半頃