ー???・屋敷前ー
[見上げるほど巨大で豪華な造りの屋敷の前。周囲は崖に囲まれていて、この地から逃げ出すのは困難なように思えた。]
俺は…なんで、ここに。
[入り口と思われる扉を掌で触りながら、自分という「人間」は今まで何をしてきたのか、何が起こったのかを思い出すように。]
…そっか。俺は死んだんだったか。
[思い出すのは、幸福な死に際。
罪を赦されて、皆に看取られて、痛みもなく意識が薄れて。
そして、最期に、頭を撫でられたあの感触を思い出し、はっと顔を上げる。]
チャールズも来てるよな…?
[彼もここに来ている筈だと、それに気づくと。まずは自分の周囲にチャールズが居ないか探し始めたか。
自らが、頭から二本の角を生やし、スータンの裾から茶色い尻尾を揺らす、見るからに異形のモノになっていることには、気づかずに。]
(9) kaomozi 2014/07/01(Tue) 18時頃