― 時計の針を逆巻いて ―[未だに蓄えた魔力を、どうすることも出来ぬ身だが自分の中に滞留する魔力が、どのような動きを見せているのかは、感じ取れるようにはなっていた。長らく共にあった一部が、少女へと流れこんでゆく>>3:79同時に思い出すのは、楽しかった頃の、その断片。ある時は森の湖畔で、足を浸し、涼みながら。ある時は隠れ家で食事をし終えた後、微睡みを携えて。ある時は頭からバケツを引っ被り、渋々水浴びをしつつ。ある時は、招かれざる客がくる、その直前に]
(9) 2015/08/07(Fri) 02時頃