[ 蛇口を捻り、吐瀉物を水で流した。
汚物を流すと、今度は頭を突っ込んだ。頭に血が上っているわけではない。この不快感を洗い流したかった。
冷たい水が頭の天辺から顔を伝って流れ落ちていく。
髪をほどき、軽くしぼると、対魔忍服を脱ぎ捨てた。その後でまた帯を少しだけ緩めて着直していく。]
…………。
[ 明かりもつけないまま、隅にずるずると蹲った。不快感を軽減しようとしたが、濡れてかえって気分が悪い。
キルロイの症状の説明を受けたとき、キルロイのために慰めてやるようなことはするまいと思った。しかし、おそらくそれはキルロイを思いやってのことではなかったのだろう。
抱くのが恐ろしかっただけだ。
自身を抱き締めるように震えていたとき、一本の弱々しい触手>>#0が伸びてくるのが目に入った。]
(9) 2016/06/09(Thu) 12時頃