[日焼けの跡をつつく渚の指先に、どきり、と。
ほんの少し心臓が跳ねる。
気づかれないように、ちいさくちいさく息を吸って]
そうそう。これ、足元もだいぶすごいよ?
スニーカーのところからもうくっきり色分かれちゃってんもん。
親には、年頃の女の子がまたそんな真っ黒になって、って嘆かれっけどねー。
[今はハイソックスを履いているから見えない足元も、しっかり日焼けの跡が残っている。それを笑い話にして誤魔化しつつ、赤面したり照れ笑いを浮かべたりと忙しい渚を眺めながら、思う。
……くっそう、やっぱ可愛いな、親友。
ふわふわ、と。
浮き足立つ感情を、胸の内でぎゅっと抱きしめる。
これは行き過ぎた友情だろうか、それとも──恋、だろうか。
明確に名前をつけると、彼女にいろんなものが透けてしまいそうで、あんまり意識をしないようにはしているけれど。*]
(9) 2014/10/15(Wed) 10時頃