―勇者学科教室前廊下―
[“勇者様”に会うべく、勇者学科の教室へとやってきたミーム。
扉の隙間から教室の様子を窺うと、まさに自称勇者が演説中>>6だった。
じーっと値踏みするように演説に耳を傾けて。「アレ」呼ばわりで切って捨てた]
そこそこ実力はあるようですが……アレはダメなのです。
足りないのです。勇者として、致命的に、足りないのです。
[勇者とは。
強きを挫き、弱きを助く。
そして、勇者が世界を救ったあとのお約束といえば、生まれ育った故郷の人に「まさかお前が本当に世界を救うなんてな……!」と驚かれるイベントである。断じて媚びへつらわれる存在であったりはしない]
人望もなさそうなのです。
そしてなにより……人間性に、問題があるのです!
あんなのを勇者だと信じるのは、浅はかってものなのです。
[けちょんけちょんにけなして、満足げに頷いた]
ミームは、騙されないのです。**
(9) 2015/04/19(Sun) 13時頃