ヨーォ、魔法使い様じゃん
何やってんだこんなところで?影に捕まっちまうぞ
[影でなくても人間が襲ってくるかもなァ、と装飾屋の前に座り込む顔見知りの少女を一瞥しては、フン、と鼻を鳴らした。
少しどけ、と扉を背にした彼女に促しながら、取立てのようにガチャガチャとドアノブを揺らす。]
おい、トカゲ屋ァ、開けやがれ。
[少女の様子を見るに、反応はなかったようか。はて。
扉には鍵がかかっている、だが問題はない。
鉄のコインを数枚取り出して、鍵穴に押し当てる。
簡単なまじないをかければ溶けて固まり、あっという間に合鍵のできあがり。鍵を回し、一瞬の躊躇もなく中へと踏み入る。]
トカゲ屋ァーーーー
シッポかじらせろーーーー
[適当にふざけてワアワア騒いでみるも、呆れたようなあの低い声は返ってこない。しいん、と 人気のない空気に、青い鳥がちち、と鳴いたか。]
(9) 2015/01/13(Tue) 17時頃