[朧が俄かに否定の言葉を口にし始めた。
刹那、奥を苛む触手の動きが止まる。>>4:170]
っぅ、あ…
[戒める触手もだらりと垂れて、つま先立ちから膝立ちへ、ベネットの体勢は低くなる。
動きは止まったのに解放を戒める栓はそのままなのが性質が悪い。内側が刺激を欲して引きつくのがわかる。唇を噛めば小さな痛み。
屈辱的な格好なのはそのままだが、じわりと理性が勝ち始める。――この場においてそれがどれだけ苦痛を伴う事かも考え及ばず。
朧の名前を呼び行為に耽るJを、泣き叫ぶ朧を、蕩けかけた眼に苦しさを浮かべて映す。
はらはらと泣く朧が、赤色を失った眸が、行き場を失ったこどものように見えて、]
やめ……、J、さま、お願い、です、
やめ、て、あげて、……くださ、
[口をついたお門違いな懇願。操られているのはJの方だというのに。斯様な愚かしい善意もまた朧を追い詰めるのだろうか。わからない。]
(8) 2016/06/15(Wed) 10時頃