―かつての天宮:芙蓉にとっての現在―[トクン。脈打つのは破滅の紅《ヴォルフ・リネージュ》。 幻獣《芙蓉》はふと顔を上げて、簒奪王《―――》に啼く。]み”ゃ《あなた、からも破滅の力を感じる。絶望の力を感じる。どうして、どうして。この世界はもう王《アナタ》のものなのに。あなたが居なければそれは世界ではないというのに。――それでも、壊したいのですか? 無かった事《零》にしても構わないと?》[人の少なくなった天宮。 玉座に座る王は代わり。詠い手の姿は見えない。 思い出す。彼らの役割は何であったかと。>>1:278]みぃ《……これから、どうするんです?簒奪の罪は余りにも重い。》[私《芙蓉》は、首を伸ばして王の手を甘く甘く噛んだ。]
(8) 2013/05/29(Wed) 01時頃