―早朝:深紫―
[ソファの上で、目を閉じた儘。早く朝にならないだろうか、と耐え忍ぶ様に横たわっていた。眠れる筈が無い、昨日の内に整理をつけようと思った感情も笛鳥のあんな姿を見たら。]
(どうするのが正解だったんだ……。)
[完璧とは程遠い人間だと自分で思っている。落ち着く事も無く、何度か体制を変えた後に、>>4物音で笛鳥の起きる気配を察知しては、何か声を掛けようと思ったが寝付けていない事に気付かれては心配を掛けるかも知れない――、今は心労を掛ける事をしたくなくて、寝ている振りをすれば、歩み寄る気配に身体を動かす事が出来なくなった。
感じる視線を、気付かない振りをするのは中々骨が居るもので。其れでも――、傍で呟かれた言葉を耳に入れれば、]
(―――……本当に馬鹿だ、)
[其れは自分に大してか、笛鳥に対してか。
起き上がって抱き締めてしまいたい感覚に陥りながら、どうしていいか分からず。その下手くそな笑顔を見る事は敵わなかったが。笛鳥が寝台に戻ってから暫く、横たわった儘で。何分、其れでも十数分くらいだろうが――その後に、あたかも今起きたかの様に、半身を起すだろう。]
(8) 2014/04/12(Sat) 10時頃