全員か……それは、助かるな
[ 扉の先に待ち構えていた殺人の残り香を一瞥し、騎士の無機質な視線が生者へと向けられる。
ふと、その中に幾つか見知った顔を発見し、アナウンスにあった人数のズレの原因を頭の中で補完する、確かに死者からのメールとも言えるわけだ。
注がれる剣呑な目線を一身に浴び、それでも騎士は教会内へと躊躇なく踏み入った。どういうわけか湿った床を機械の足で捉え、戦闘で散らばったと観れる細かい瓦礫、ガラス、木材の破片を踏みつけながら。]
『Aff.機械的に判断しマスと、ここで奇襲をかければ勝負は一瞬デス。間を取られているなら未だしも、もはや即殺圏内デスから』
(……いいから、お前は黙るんだエクエス)
[ 横から……否、頭の内側から茶々を入れてくる合理的の権化を静寂に押し込めると、騎士は改めて生者と向き合い、]
ここに羽根が4枚ある。そちらの札と合わせれば、7枚の羽根が揃う計算だ、ボクはそれを果たすよ
それが彼女に通ずる道である線は、かなり濃いものとなったからね
[ だから、後は君達の判断次第だ。と騎士は言外にそう告げる。
己の成すべき事柄を掴んだ者の、覚悟を決めた双眸を湛えながら。]
(8) 2014/07/01(Tue) 23時頃