[お風呂で歌うといい感じに反響して上手く聴こえる、って話がある。
カラオケだって閉鎖空間だし、それはそれで気持ちいいのも知っているけど、これはまた別だ。
ここから叫んだって誰にも届きはしないのだ。
山彦が返ってくるわけでもないし、唯一届きそうな足元の学校には生徒も先生もいない、はず。
警備員がいるかどうかってくらい? 休日夜の学校に忍び込んだことないから分かんないけど。
だからこの歌は、誰にも届けない歌だった。
独りよがりだから最高なの、って言ったって誰も分かってくれないってもう知ってるし。ママだって友達だって。
馬鹿と煙は高いところへ、みたいなことなのかも。あたしは煙のほう。]
♪ さよならバイバイ、もう行って――…
……ん!
[わざわざザクザク足音立てて歩いてきても気づかなくて>>5、遠めから声をかけられてもまだ気づかなくて。
近くで声をかけられてようやく気がついて>>6、ビク、と肩が跳ねた。
ちょっと気持ちよくなりすぎちゃったな、と反省はした。後から誰か来るかもってことくらい分かってたのに。]
(8) 2019/12/26(Thu) 14時半頃