[私には、幼馴染がいる。絵に描いたような幼馴染。
同い年で、家が隣同士で、きょうだいみたいに育った。
喧嘩らしい喧嘩もしたことがなかった。揉めた記憶といえば、どっちが上のポジションかってくらい。
私はあいつを弟みたいなもんだって思ってたし、あいつは私を妹みたいなもんだって主張した。その決着はいまだについてない。
登下校もいつも一緒だった。こんな天気の日なら、間違いなく「どーする?」ってメールが来た。
文化祭まではずっとそうだったし、これからもずっとそうなんだって思ってた。思いこんでた。
変わってしまったのは、私の耳に届いた一つの噂がきっかけだった。
あいつが、文化祭の日、告白されたらしい。
しかもそれを、断ってしまったらしい。
そんな噂を聞いたら、いじるネタゲットー!って思うに決まってる。
私は早速突撃取材と決め込んだ]
(8) 2016/09/12(Mon) 02時頃