……マジか。
[足元をお菓子の包み紙が転がっていく。その包み紙から視線をはずして、天を仰いだ。気鬱な登校の時間であることなんか全然関係なく、空はどこまでも広くて、青い。その清々しさに背中を押されるようにして、一歩、二歩と足を進めた]
いい天気だなあ。
[声に出してそう言ってみる。そう言葉にしてみると、なんだか学校に行くのも楽しみなような気がしてきて、我ながら自分の単純さに苦笑が漏れた。
さ、行くか。 ことさら気合いをいれて歩もうとした瞬間、カサ、と小さな音が聞こえた気がした。意識してなければ気づかないほどの小さな音だったのに、やけにはっきりと聞こえてしまって、俺はもう一度天を仰いだ]
ああ……クソ。
[振り返って、今にも風に流されそうになっていたその包み紙を踏みつけ、拾い上げた。あたりを見回しても、わかってる、ゴミ箱なんてなかなか見つからない事くらい。住み慣れた村っていっても、村のゴミ箱の位置なんていちいち把握してないっての]
あー、クソ。気付きたくなかった。
[ぼやくだけぼやいて、拾い上げた包み紙をポケットに突っ込んだ。学校で捨てりゃいい。
仕方ないな、ほんと]
(8) 2016/03/29(Tue) 15時半頃