[我輩はふふん、と鼻で笑って胸を張った。お粗末なつくりのヒトの目には同じように見えるかも知れないが、我輩の方がつやつやふわもこなのである。我輩は毎日の自己メンテナンスも欠かさない。サイノが何もしない、とも言うが、まあ、大した問題ではない。我輩の中のコンゴウインコの遺伝子が、誰よりもつやつやふわもこであれと囁くのである。]
ヒーホー。ワタシもあれ、面白いと思いますよう。
こないだもちょっと話したけど持ち替えに難儀するひと、いますしー。
[奇妙な挨拶とともに追いついたサイノの頭の上に再び、跳び乗る。]
ケアホームのおばあちゃんとか、そうゆうひと?の、じりつしえん。
課題は軽量化とコストですけどー。
[サイノの卒業研究は思考のアウトプットに関するものだった。思考を直接、ディスプレイにアウトプットできる技術。まだ幾つかの大きな課題があり、とても実用段階ではないが。そういえば、病で晩年ろくに口も聞けなかった祖母と話がしたかった、と、いつかサイノは語っていた。]
(8) 2015/03/04(Wed) 00時半頃