―回想―
[男同士の話という名の恋話が終わった後は、先ほどまでよりちゃんとパティのことを見ることも出来るのだった。しかし問われた言葉に、疑っている、ゆるりと室内を見た。鬼、という言葉を思い出して、少し表情がゆがんだ。]
本当に鬼っているわけ?って思いますけど。
[誰を疑っているのか、名言は避けた。それはほんの僅かなものであったし、言うのは憚られた。――その時は、まだ。
しばらく、危険は感じなかったし、話も軽く続いただろう。もってきた消火器を手元において、ここぞとばかりにテスト問題をあさろうとしてみたりもした。
と、ノックの音とオスカーの声。どうやら差し迫った危険はなさそうだと消火器を下ろす。部屋に入ってくる姿に、大丈夫だったか?なんて声をかけて、座れそうな場所を示すのだった。
そして――チャイムの音。視線はスピーカーへと向けられて。]
(7) 2010/07/22(Thu) 11時頃