−Xday-3day・AM1:00頃 自室−
[暗い世界。機械の明かりは自身のその顔を照らす。眩しさに目を細めるも、気付けばそれも慣れていく。
物音を聞きつけてか部屋の扉を叩く音。返事は、しない。
『まだご飯食べてなかったの?』
『お母さんを困らせたらダメじゃない。』
『ねぇ、聞いてるの? 伊織』
それは姉、詩織の声。
数時間前に部屋の前へと置かれた食事の事なんて記憶になかった。いや、気にもとめなかった。
部屋から出ない自分の事を家族は変わらず接している。だが、それは大きなお世話だと突き放していた。その気遣いが、辛く苦しかったから。だから、いつもこう返す。]
俺なんていてもいなくても同じだろう。
この家には、姉さんがいればいいんだから。
[生まれた時から傍にいた、性別の違う双子達。
いつしか弟は姉の背を追うのではなく。超える事を望んだ。
だけどそれは、叶う事もなく。]
(7) 2014/03/11(Tue) 02時頃