[まさか、その星が大きな悩みを、問題を抱えているなんて遠いワタシには知る由もなく、呑気に楽しい事を考えていた。
そしてまさか、この会話が手紙をやり取りしたあの親子だなんて。
続いて聞こえてきたのは少し幼い声。その声はワタシより年下のようだった]
「ほし、ほしぃ〜〜!…………パパンとママン……一緒………暮らしたかった……」
まさか、この子はファミリーがいないのかしら…そんな……っ!
「ほし」というのはお友達のお名前?独りぼっちじゃないのね、よかったわ…でも。
[目の前の機械をきゅ、と握りしめると浮かれた様子から一転、俯いて。テーブルの下でゆらゆら揺れる足も止まった。]
いつか、いつかワタシが宇宙を飛べるようになれたとしたら、アナタの星に行くわ。アナタのお友達になりたいの!
[届くはずのない声を、機械に向けてワタシは語りかける。
まだ続く彼の声が聞きたかったけれど、声は雑音と共に遠ざかってしまった]
(7) ymdhrk 2016/07/21(Thu) 00時頃