―5月10日 早朝5時 街外れの空き地―
>>3
[昨日と大体同じ時刻。待っていた彼は訪れた。
空腹感はあったものの、理性を手放さないことを許してくれる程度のもので。……前回の経験上……「それ」が理性を奪うのは、あと15時間後頃、というところだろうか。]
……おはよう、ナユタさん。
……知ってたよ。少なくとも、感染者って解る声は……あたしには、聞こえない。
[そして昨日したように。達観した表情を浮かべ、手首同士を合わせて、ゆっくりと両手を前に出す。]
……もう、あたししかいないんでしょ?処刑出来る人間なんて、さ。
謝る先はあたしじゃないよ、莫迦……チアキだよ。あたしは、ナユタさんがあたしを生き残らせるために凄く頑張ってくれたこと、知ってるけど……チアキは、あたしが処刑されるっていう結果を見なきゃいけないんでしょ?
もうこうなったら、不愉快だけどナユタさんに頼むしか無いよ……ちゃんと、チアキの背中。支えてなかったら化けて出るから覚悟して。
(6) 2013/08/06(Tue) 01時頃