―Xday・楽園の扉―
[薄い眠り不意に破られる、網膜に雪崩のように流れ込む文字列。
思わず冷水をかけられたように覚めた眠気、それでも状況を把握するには暫くの時間が必要だった。
ベッドで飛び起きたその時の格好侭。白い床に片膝立てて座り込み、呆と周囲の──この数日間で色濃くも様々な言葉を交わした人達の顔を、その言動を眺め]
……。…。…あぁ…、負けたのか。
[まず声となり漏れた思考は、手順として追い求めてきていたはずのゲームの勝敗について。
自然、まず視線が勝者となった彼女の姿に向き]
──あー…クッソぅ。負けた、負けた!
リッキィ、おめでとさん! まーたガチにゲームでアンタに負けた!ちっくしょぅ!
[リッキィを見つけられたなら、彼女へ向かって。
思い切り、腹に溜まっていた息を、感情を吐き出すように声を上げて。表情は、どこか清々としたように険が抜け。
同時に、瞳が、意識が皆の間に別の存在を探した。
白コートのポケットに突っ込んだ両手。指先が、結局そこに入れたまま、返し損ねていた銀鎖に触れて]
(6) yakan 2014/03/27(Thu) 18時頃