―回想・5月5日早朝、チアキ宅前―
>>1
[小さく震えた…、ゆっくりと身体を離して真っ直ぐに瞳を見据える]
ナユタが…生きていてくれるなら…それだけでいい。もう、俺にはナユタしかいないって思ってたけど、そんなの関係無く…
[ナユタの上着へ手を伸ばす。触れるのに躊躇いを見せ、それでも正気を保ちたいと自分を照らす光に縋り付く。伝えたい言葉があった、一生言わないでいるつもりだった言葉。どうしようもなく、今、それを伝えて置きたかった]
俺が俺で居られる間に伝えさせて
………好きだよ。小さな頃からずっと好きだった。
[自分勝手に伝えてしまった事に上着を掴む手が揺れる。暗闇が近付いて来るのが分かった。もう少し後一言だけ、…願う想いは唇を滑らせる]
…ナユタは…俺が…守る、から…
[辺りを覆う黒の中、一筋の光に向かって告げると…意識を手放した]
ー回想終了ー
(6) 2013/07/29(Mon) 01時半頃