[ノブを回してみたはいいが、どうやら中から施錠されているらしい。…あの男の仕業だろう。
困り果てて嘆息の息を漏らす。嗚呼、せっかくの美しい人形を床に放置しろと?────そう思えば、穏やかな性格の男には珍しく、やがて怒りも湧いてきたかもしれない。
だからこそ、彼女>>3が目を覚ますことに気づくのが少し遅れたのだ。]
「────ひっ?!」
……っ!?!!
[一度自分の身に起きたこととはいえ、すっかり忘れていた。
突然動き出し、涙を滲ませる"人形"を手から滑り落としてしまったのだ。…恐らくドサリ、と鈍い音が響いたに違いない。尤も、彼女が臀部から着地したのならそこまでの衝撃はなかっただろうが。
ああ、そうだ。すっかり忘れてしまっていた!
自分が何故あんな真似をしようとしていたのか。そう、この空間には「死」がないという可能性を考えてだったのに!]
(6) 2016/02/28(Sun) 10時半頃