[炎の波は敵を灼くことは叶わず>>3:140、しかしどうにか距離を置くことはできた。地に膝と手をついたまま、炎がゆっくりと消え去れば、そこには棒立ちの男]
……また阿呆の真似か。鴉殿。
[──何かある。
直感的に感じながら、熱と痺れを伴う脚を震わせゆっくり立ち上がる。
脳裏を過るのはあの雷撃。とうに傷は癒えているのに、背を灼いたあの痛みを思い出し、ぞわりと鳥肌がたった。
既に駆け寄るほどの力は脚になく。されどそれを悟られぬよう、声をかける]
またあの雷砲か?
何度撃とうと同じこと。当たることなどないぞ。
[挑発的に微笑むが、背にはたらりと冷や汗が流れる。いまあれを放たれれば、爆音に怯み、痛む左半身でうまく動けず、今度こそ全身を灼かれるだろう]
そちらが来ぬのなら、こちらから。
[大きな火の鳥を一羽生み出せば、男へ向けて飛ばす。男の身体ほどの大きさの鳥は、口から火を吐きながら向かっていく。
ずり、左脚を引きずりながら、男が動くのを待つ]*
(5) 2015/09/24(Thu) 01時頃