[彼女が触れ合う程の傍に居て>>0、その胸元には叔父の本があり>>2、セイルズは親族の話をしている。特筆するような内容ではない筈なのに、これが初めてのこと]
[──嬉しいのは此方もだった。
ぽつぽつと、彼女の声に応えるように話していく]
叔父は、自分にはこれが向いているし
これしか出来ないと。
本棚の通り、何でも読む人だったから
知識の幅が広かったし
書けるものも増えたのだろう>>1。
[そしてそれは、セイルズが料理を始めとする家事一般に習熟した理由でもある。自分で作らなければ総菜を買うばかりになってしまうからと包丁を手に取り、あまり献立が偏らないようにと作る品を増やしていった]
[そうして培った腕が彼女を微笑ませられた>>0のだから、本当に、技能というのは予想もしない所で活きるものだ]
(5) vdspuren 2018/12/14(Fri) 02時半頃