─ ソルフリッツィの部屋 ─
[大きなジャガイモは文机に向かい、今度はしとしとと頭から水を垂らしている。涙か汗かはたまた涎鼻水か。]
聞いてないよお。
あたしゃこんな、こんなかわいがりを受けに宿に来たわけじゃあなくってさ。
この部屋に来るまでだって、どんなに恐ろしかったことか。いつ何時、この愛らしい体に傷をつけられるかと冷や汗ものだよ!
この世に締切より恐ろしいものがあったなんてね
まったくもう…
[戦神に縋ったが運の尽き。物を知らぬ自分を恥じるばかりさ。
この白兎が見抜いた通り、>>1:29神作曲家は仕事を納めきれないまま逃げるように宿へやって来たわけ。
引きこもりで繊細な芸術家気質のジャガイモにこの戦神はいささか体育会系で刺激的。
この巡り合わせはジャガイモ的には災難だけれど、神の賜はす調べを待ちこがれる者にとっては幸運だったと言えるだろう。
これほど監視と尻を叩くのが上手い神は他に居ないだろうさ!**]
(5) 2019/12/30(Mon) 02時頃