―5月10日早朝5時、街外れの空き地―>>1>>2[彼女がその場所から動かずにいる事を発信機は夜通し伝えていた。ここに訪れるのに時間が掛かった理由は一つ、今日いっぱいの彼女の自由をと――最後に掛け合うためだった。雲の隙間から差し込む朝日がまだ弱々しく差す空き地へと、彼女は一人佇んでいた。護衛にと付いてきた隊員を片手で制して彼女へと近付く。襲われる事はないだろうと――信じていた]……クシャミ悪い…これ以上は無理だった[どう伝えようかと、随分迷った筈なのに。何時だって自分はありきたりな言葉しか告げられない。けれど彼女も安易な慰めや謝罪――そんなものは望んではいないだろうと。彼女の目の前まで歩み寄ると、せめてと視線は逸らさずに告げた]
(3) 2013/08/06(Tue) 00時半頃