『高橋ー。いるか?』[日も傾き始めた頃。ドアが開いて、ひょっこりと顔を出したのは同じ学内オーケストラに所属する、普通科の同級生。]『うあ。まじでいた。午後は専門だろ、いいのか?専門科はそゆの厳しいんじゃねえの。』[友人は大げさに手を広げて見せる。その声に二度寝から覚めた高橋は、反動をつけて起き上がった。顔に乗せた雑誌がばさりと落ちる。じろりと彼を眺めると、寝起きの低い声で、不機嫌そうに返事をした。]うるせー普通科、サボタージュはお前もだろ。…で、何か用か?[振り返りながら、イヤホンを片方外して、肩に掛ける。MDプレイヤは、ベルトに下げたシザーケースにしまいこんだ。]
(3) 2011/11/25(Fri) 21時半頃