[食事の前。
ジェームスを探しに行ったのはミロだった。
探して呼ぼうか否かと迷っていたところ、ジャニスの声(>>1:387)に咄嗟に頷いてしまったのが原因。さらに言えば「行く?」と問われて行きたいと思ったのが理由。短い問いかけに、少し驚き、頷いた後にジャニスの顔を見つめて短い間に何度も瞬いた。
「いってきます」とかけた声は、困ったふうな表情が滲み出ている。ミロにしては珍しく、自覚がないほどに自然な感情の発露だった。]
――食事の支度が整いました。
どうぞ、食堂へ。
[屋内を歩きまわり、最終的に彼が滞在する部屋(>>1:386)の扉を叩きながら、そっと声をかける。ジェームスの反応がどうあれ、買い出しなんて珍しいことをしたらしい彼にまずは「おつかれさまでした」を。一体、どんな顔をしてマーケットで買い物をしたのか……想像すると、少し笑えた。
これも、自覚がなく自然な笑みだった。*]
(2) 2015/11/14(Sat) 01時頃