……さて。
[その様子を見ていた人々は、呆気にとられていて、彼女がいた場所を触ろうとする輩もいた。
言い伝えが本当だったということ。
いや、嘘で、これは手品か何かだろうかと、口にするものもいて。そのうち、彼らが座っていたベンチや地面を目でよく見てみることを始めた。
そこには砂があるだけ。いや、元から広場に散らばっている、浜辺の砂などと混ざってよくわからないのだけど。
自分だって、もうソフィアがどの砂だったかわからない。風に吹かれて、遠くへ行ってしまったものも多いだろうし。
そうしてみんなは暫くして、ソフィアが消えたことを現実だと受け入れ始める。
自分はその間ずっと大人しくしていてあげたのだけれど。中には自分に話しかける輩もいて、正直鬱陶しいと感じる。
だけど、ソフィアから触ってきて消えたのはみんな見ていたろうに。
そうして彼らは、自分を懲罰房へと入れることにしたらしい。なんでも、殺人の罪だとか。少しくだらないなんて感じてしまうけど、まあいいか。
明日にはきっと、処刑されることだろう。
それまでにこの世界の人たちがどんな行動を取るのか、楽しみで仕方がない。]
(2) 2015/04/09(Thu) 09時頃