───昨日
[通信機のやり取りや、サドーのブツブツを聞きながら魚の首を千切り折り、川で血と内臓を洗い捨てる。川べりに群生するウルイの葉数枚でそれを包めば蔦でグルグルに巻き縛り、ススムの元へ戻った。
サドーが戻るまでには川魚の開きを枝で組んだ蒔の上に乗せ、半燻製、残りは枝を刺し火の近くで時間をかけて焼き飯の支度を整えたか。ススムの取った野草はウルイで蒸し焼きにして取り分ける。
そうする内にサドーが鹿を運んで戻り、ぐったりとした様子で渓流へ降りて行く。「子鹿なら良かった」と漏れた通信機の声には鼻で笑ってしまったが、運び込まれた鹿の胴体は確かに三人で食うには余りそうな程。
「お疲れ」と一声掛けその後肉塊を解体し、彼が戻る頃には三人で食事に有り着いただろう。
途中、一言二言ばかり通信機へ声を向けたか。返答が無ければそのまま乾いたシャツを羽織り翌朝に備え睡眠を取った。*]
(1) 2015/03/08(Sun) 10時頃