──パーティの観客を見渡しながら──
[ まさか自分が誰かの話のタネになっていることなんて露知らず。
手にしたワインを、一気飲み──してしまいたい気持ちは抑えて、はしたなく見えない程度に喉へ通した。
通しながら、ぼんやりと女王の観客を眺める。
誰も彼も煌びやかに着飾って、
……壁際に男性と並ぶあの男>>1:281のような例外もいるが、
皆俺とは、違うんだろう。ゼーニアの仮面がなければ、こんなところにはいられない。──今はまだ。
ふと、二人組の男……その片割れが視界に留まる。
別段変わったところなんてないはずだが、気に留めた理由といえば。
──……目があった、ような?
勘違いならそれはそれ。
お得意の笑顔をすぐに顔に貼り付けて、軽く会釈でもしておこう。
全く、今更体裁を取り繕ったって遅いこと>>1:311なんて気づいていない ]
(1) 2017/01/09(Mon) 06時半頃