― スリザリン寮・談話室 ―
[どろどろした夢を見るのは二回目だった。
真っ赤な何かが足元をうぞうぞと蠢いていて、けたけたとわたしを笑うそんな夢。
もっとも、起きたら全部忘れているのだが。
…わたしは何を言われたんだっけな。夢の中で。]
[ソファの上でぐいっと伸びをしてから、おおきなあくびをひとつ。膝の上には誰かがかけてくれたらしい毛布。
周りに居た同寮生におはよー、と声をかけられれば眠い目をこすりながらひらひらと手を振る。
傷の様子は。凍りついていた部分は流石に溶けていたが、そのせいでローブのそのあたりはぐしょりと濡れていて。身体を動かすと傷に染みて痛い。]
…いつつ…
――Episkey《癒えよ》
[ねずみせんせーめ、なんて凶悪な呪文をかけてくれたんだ。そうひとりごちながら杖を振るう。
思ったより自分の身体は傷だらけだったから。*]
(0) 2015/02/12(Thu) 14時頃