【墓】 長老の孫 マーゴ

―>>+184 在りし日の記憶 ―

[少女《マルグリート》が小さな石造りの家の片隅で真っ青な顔で座り込んでいた。
誰も訪れない深い森の中、見知らぬ小さな女の子が迷い込んできたからだ。

森へと捨てられて何程経っただろう。
唯人《ﾉﾙﾏｰﾚ》であれば長い刻、しかし森の王《ｴﾝｼｪﾝﾄ･ﾜﾝ》にとっては瞬きする間で過ぎ去る時間。
少女《マルグリート》の心の傷が癒えるには少々足りないらしい。


　　ホゥ、と白い梟が啼く。


少女《マルグリート》の身体は床へと伏して、規則正しい寝息をたて始める。
怖いのならば暫しの眠りを。]

(+273) 2013/06/08(Sat) 19時半頃