書くのはね、やめないわ。
書くのが嫌なわけじゃないの。
それにね、私には、書くことしかできないもの。
書きたいものと、書かされているもののギャップが問題なの。
[そう言って、眉を下げて微笑んだ。
書くこと。それは女の絶対にして唯一のとりえだと思っている。
メインに据えなければ、悲恋小説の方だって、今ほど苦痛ではないとも思う。
新作を書き上げるたびに届く熱いファンレター。
それらは確かに嬉しかったし、自分の書くものが誰かの心を動かしている。それは確かに快感だったのだから。
問題は、書きたいものをなかなか書かせてもらえずに、苦手な方ばかりを書くよう要求されることで……]
それに、崇之も、困るんじゃない?
[小さく首を傾げて、女はとっておきの秘密を打ち明ける]
……ブラッディローズマリー、読みたいわよね?
[小さな小さな声で打ち明けて、あ、これ、機密事項だから絶対秘密ね、と人差し指を立てて笑った*]
(+182) 2013/12/14(Sat) 22時半頃