[手に触れてそのまま解けるマフラー>>+150。
それを取り返された>>+151とて、するりと手を離す他ない。
本当に掴みたかったのは、温度も感情もない毛糸の塊なんかじゃあなくて、彼自身だったのだから。
それが再び元の場所に巻き直されるのには、不服げに目を細めたけれど。]
……何に、なんでって言ってんのかわかんねぇ。
[沈黙の間を縫うように言葉で追おうとしたけれど、高い金属音>>+152がそれを阻んだのなら、ぐるりと目を丸める。
放られた鍵は思わず受け止めて、描かれた軌道の先へ、視線を。
かち合うことがなくとも、そのままひたりと眺めた。]
……は、ぁ?
[先の動揺よりはいくらか潜めた声。
それでもふたりしかいない沈黙には、確かにはっきり響いたか。
そうして続けられる柔らかな声は、──どこか違う強張った拒絶の声は、それすら押し留めようとしてくる、から。]
(+173) 2015/11/19(Thu) 22時半頃