[流石にそれは言い過ぎだとしても、この状況は少々戒める必要がある
自室でこの光景を見ていたヤニクは瞬く間に姿を霧へと溶かせばするりと自室や玉座を抜け、彼らが闘っている場所へと速やかに移動する。そして]
『き、貴様ッ!!』
[キルロイの挑発に真面目に激怒した上級吸血鬼がボロボロの彼に一撃を浴びせようとしたその瞬間。姿を顕現したヤニクーーーいや、不死者の王はその攻撃を腕で受け止めていた]
『な!?何故、貴方が…!』
ほう。俺に喧嘩を売るか
そろそろ媚を売られるのにも飽き飽きとしていた所だが
[ニヤリと笑いながら獰猛に舌なめずりまでする不死者の王は絶対的強者の威圧で圧倒し、その魔力は近くにいた下級の食屍鬼などをその場で崩壊させた]
…まあ、今回は大目にみてやろう
俺は今、とても気分が良い。この気分が降下しない内に立ち去ることだ
[静寂の空間にそれだけが響き渡れば、波が引くようにその場にいた吸血鬼が雲散霧消していった]
(+142) 2015/08/08(Sat) 23時半頃