[大切な何かを、手離したくないと錯覚するほどの力。>>+108
悪態を吐くくらいなら突き飛ばせば良いのに。
自分では到底やれもしない行為を相手に期待し、
その奥底ではしないでくれと願っているだなんて笑える話だ。
ハグは、4年前に嫌がらせでされたのが最後。>>+109
思い切り抵抗して振り払った時の、俺の顔は泣きそうで、
やめろと怒鳴った声は我ながら必死過ぎていた。
その時の体温と匂いで何度も自慰したなんて伝えたら、
こいつだって掻き抱いてくる腕を離したくなるに違いない。
詰まる胸の重圧に耐えかねて口を開こうとした瞬間、
首筋にひやりと何かが押し当てられ、視界の端に動く赤毛。
息を吸い込む音にぶわ、と汗が噴き出していく。
嗅ぐな、と文句を言う代わりに言葉を紡いだ後。
妖精を見せようとする相手から感じる苛立ちの気配も、>>+110
どうすれば教えられるか必死なあまり、気付き損ねた。]
(+125) 2015/11/30(Mon) 21時頃