― また次の日 ―
[額にある火傷の痕は、幾分か薄らいできたのだろうか。
食屍鬼や下級吸血鬼を狩るのにもコツを覚え、初日に比べればスマートに狩りが出来る様になった三日目。
より良い獲物を見付け、狩ろうと、持ち前の鼻の良さを駆使し、今日もまた辺りを散策していた。]
――……おっ。
[運良く昨日逃した吸血鬼を再び見付ける事が出来た。
逃した怒りを内に秘め、そして殺気を最小限に抑えながら、決して気付かれぬ様に。
ゆるりゆるりと足を忍ばせ近付いたら、一気に襲い掛かる。
完全に不意を突かれた吸血鬼は対応が出来ない。
そんな吸血鬼に対し蹴りや殴り等で、最初は力では無く数で逃げる余力を削り体力を削ぐ。
抵抗する力も逃げる力を奪える様になれば、今度は意識を奪う為の一撃を食らわせ――気絶させた。]
っしゃあ、ぁっ!!
初めて、ザコじゃねぇ奴に、勝った!
[食屍鬼や下級吸血鬼とは違うクラス、恐らくは中級クラスではあろうが、誰の助けも得ず自力で勝利した事に胸を躍らせて。
今迄味わっていた不味さとは違う、其れなりの美味さを感じる血潮を啜り、渇きを癒した。]
(+124) 2015/08/08(Sat) 17時半頃