[犬は二人の食屍鬼と対峙しながら、彼ら血を狙う。
片方を襲えば、もう片方から襲われる、という事態になりながらも、犬は怯む事は無く、衝動に身を委ねながら、己の力だけで狩りをしていく。
弱肉強食、という物騒で危険が伴う揺りかごの中で。
さて、食屍鬼と戦い始めてどれぐらいの時間が掛かったのだろうか。
一人の食屍鬼の股間を渾身の力で蹴り上げ気絶させ、もう一人の食屍鬼の頭を掴み、何度も壁に打ち付ければ、抵抗はしなくなった。
荒くなった息を整えながら、無抵抗の食屍鬼を見下ろして。]
出だしは上々、ってか……?
くっそ不味いが、仕方ねぇな。
[先程味わった不味い血の味を思い出し、苦虫を噛み潰した様な表情を浮かべたら。
昏倒してる食屍鬼の首に牙を立て、彼らの生き血を啜る。眉間に皺を寄せながら。
彼らの血は非常に質が悪く、魔力も極僅か。きっと吸血衝動を抑えてる時間も短いだろう。
それでも、ヤニクが教えてくれた方法でしか吸血衝動を抑えられないのだから>>+63、背に腹は変えられない。
そして犬は躊躇い無く、二人の食屍鬼の血を啜り、彼らの命を食らった。]
(+121) 2015/08/08(Sat) 16時頃