[ここでは、何もかもが見通せた。
戦いに興じる狩人たちの姿は気高くも猛々しいその姿に――やはり、そのどこかに儚さが見えるのは、自分が永遠の魂を持つゆえなのか。]
まぁ一番新鮮なのは、幾百年振りの目線の高さかしら
[そう軽口をたたきつつも、目線は逸らさなかった――――逸らせなかった。黒猫の視線で見てきた、人間どもの足掻きに。美しい、という言葉を選んだニュイの感性は……もともと人のそれとは、別のものだったか。]
ねぇ、ブランシュフルール。
アナタの大好きなルクフェーレのこと……――見てあげなくていいの?
[呼びかけるも、床に横たわったままの少女(今はニュイの方が幼い姿だが)から返答は、ないまま。小さく、呆れの籠った息をつくと、愛猫を可愛がるかの様に彼女の髪を撫でた
――――暖かい水が、手に触れた気がしたが。黒猫の少女はそれを、雨でも降ったのだろうということにしてやった。動きもとれないし、しばらくはこのままでいるしかないわ、と。*]
(+110) 2014/11/14(Fri) 22時頃