………、でも。きっと暗くて見えない。
見えても、逸れないように繋いでいたと言えばきっと大丈夫だ…、実際、逸れそうで怖い。
――だから駄目、か?
[そうして出た言葉は、何とも自分勝手な言葉。
それらしい解決策と理由を提示してみせてはいるけれど、結局のところそれは俺の我儘で。
此方としては、見られたとしても大して気にはしないのだけれど。
けれど貴方まで、奇異の目で見られるのは許し難くもあるのに、この手を離す気にはどうしてもなれなかったから。
貴方に向けて、申し訳無さげに眉を下げて。
けれども握った手は、ぎゅう、ともう一度握り直し、じっと貴方を見つめてみれば、返答はどうだっただろう。
"金色"は、願いを叶えてくれるんだろう?
――暗い色の瞳で、貴方の淡い金色を見つめながら。
貴方には聞こえない胸の内では、そんな事を考えていた。]*
(+97) 2015/11/28(Sat) 20時半頃