─ 昔の話 ─
[30年近く前、ウェルナー家と協会の対立の溝は大きく、協会はウェルナーの力を削ぐべくその協力者たちを次々と取り込み、ウェルナーもまた協会へ血の報復で応えていた。そんなとある日、ウェルナー家へと協会から一匹の吸血鬼討伐の依頼が舞い込む。
協会所属の腕利きのハンターを次々と葬りその勢力を急激に拡げている一匹の吸血鬼がいた。
──"男爵"マーゴ・バイロン卿
その齢数百とも数千とも言われる最古参の吸血鬼である彼が100年の眠りから目覚めたという。最強のハンター集団を標榜していた協会はただちに討伐隊を派遣したが結果は全滅。逆に協会の勢力圏内に彼の城が出現するという自体に陥った。
焦った協会は伯爵との戦いを続ける一族でもあるウェルナーにその討伐は依頼する。それは恥も体面も捨てたものだった。
先々代当主が死にその跡を継いだ若き当主レオナルドはこれに難色を示したが執事であるハワードがこれを受諾し単独で彼の住処へと乗り込んだ。
彼は当時数々の吸血鬼を屠り"死神"の通り名で呼ばれはじめており実力とそして若気の中でその驕りを育てていた。]
(+81) 2014/11/12(Wed) 12時頃