[誰が見たってすぐに嘘だとわかるような反論>>+54に、思わずむっと眉を寄せた。
これがもしも逆の立場なら、嘘つけだとか、無理すんなだとか。呆れの滲んだ柔い笑みと共に、頭を撫でてくるだろうくせに。
そんな接触に、同じものを与えられる他への嫉妬を覚えこそすれ、不満なんてなかったけれど。
それでも涙と共に溢れた彼の内面は、心情は、ここに来てようやく曝け出された気がする彼自身は、嬉しかったものだから。
思わず笑ってはしまったけれど──決して馬鹿にしている訳じゃあ、ない。
──彼の内心を知ることが出来ていたなら、反論のひとつふたつも返せたかもしれない。
惰性めいていたとはいえ、求められれば言葉なり行為なり返してはいたし、そういうものだと思っていた。
自分から手を伸ばしたのは、これが初めてなのだから。
仕方ないじゃないか、なんて。
……それはそれでどうにも気恥ずかしいから、言わずにいられたならば良かったのかもしれない。]
(+72) 2015/11/21(Sat) 00時頃