ん…そう、不幸。
俺は、サミュエルの不幸を願いにきたの。
[グラスを適当において、弧を描く口元を覆い隠す。確定形で作られた言葉は実に男の胸にしっくりと落ち着いた。落ち着いてしまった。
腰を少し折って、彼の顔を覗き込む。]
信じてはいないけどな。
でも、もしそんな力があったとして…みんなが幸せになれるわけ、ないだろ?
横恋慕、恋敵とか…まぁ泣く奴はいっぱいいるし。
[俺みたいなのとか。そう心の中で呟いてさらに笑みを深める。彼の顔は、表情はどうだったか。
はじけた理性とアルコールに浮かされた思考は正しい情報を導けない。]
俺はお前のこと可愛いと思ってるし、すきだからさ。泣いて欲しいわけじゃねぇの。
でも、誰かと幸せになって欲しくもないんだなー、これが。
[言葉はとまらない。声に、音にすることが、男の認めたくなかった部分を暴け出していく。]
(+67) 2015/11/18(Wed) 22時半頃