[>>+60泣きそうな由良の顔と微かな震え、しかししっかり耳に届いた言葉ががじんわりと…の心を溶かす。
夢の中の涙はあんなに冷たかったのに、今自分の瞳から流れる雫は暖かかった。何度も首を縦に揺らし、安心させるように笑おうとして、やはりできずに俯いた。
怖かった。本当は誰かに縋って泣きたかった。
死にたくない、なんで俺がって。
笑顔でいるのがつらい時だってあった。
原稿用紙に血を吐いて、すべてが無駄になってしまった事だってある。
そんな時に、弱音を吐ける存在が、本当は欲しかった。
一緒に泣いてくれる相手が、苦しんでくれる相手が、…だって本当は欲しかったのだ]
…めんなさい、ごめんなさい!
離れなきゃいけないのに、ずっと一緒には居られないのに、好きになってごめんなさい!
妹さんの事もあるのに、また由良にこんな思いさせなきゃいけないなんて、俺、どうしたらいいか、わかんない。
ごめんね由良、ごめんなさい。
[ぼろぼろと流れる涙をぬぐう事もせず、…はひたすら謝罪を繰り返した。
夢の中で、自分より先に由良が消えてしまった時のあの絶望感。
それを今度は、自分が由良に味あわせる番なのだ。
その事実が、何より…を苛んだ]
(+63) 2014/04/17(Thu) 01時頃