[眼前の柔らかな光は恋が実り、願いが叶う象徴。>>0:#1
見たいと憧れていた、不確かな黄金をその目に焼き付けて。]
ヘクター。ほら、早く撮らないと。
良かったじゃないか。これでもっと有名になれるし、
美女だっていくらでも選び放題になる。
[撮影させてやろうと、強張った体を半ば強引に引き剥がす。
未練がましく掴んだままの左手を離そうとすれば、
顔の近くをふわりと舞う光に目を細めて。]
……被写体の土台的には、あまり宜しくないけどな。
[だから、これは何の嫌がらせだろうか。
青白い光はサイリウムバンドの方に懐いていたのに、
左手首の光が見えないのか、それとも興味がないのか。
右肩に腰を落ち着け、眩くも柔らかい光を放つ金色に
苦笑を浮かべては赤毛の方に視線を戻した。*]
(+61) 2015/11/29(Sun) 20時半頃